●
adoliBeDITORIAL
2000/3/31 「英語なんて恐くない!」
BeOSを使っていると英語に触れる機会が数多くあります。
BeBookを読むにも英語、BeWareの作者に感激のお手紙を書くにも英語、
そもそもBe社のプレスリリースを読むのにだって英語が必要です。
国境の無いインターネットの世界では、ある程度の情報を得ようと
思ったら英語の読み書きを避けて通る事はできません。
コンピュータの辞書の検索性は紙の辞書のそれを大きく凌駕します。
紙の辞書にもそれなりの良さはあるのですが、目的の単語を素早く
確実に検索するという目的に置いてはコンピュータの速度に敵う
ものではありません。
最近は誰でも金をかける事なくそれなりの辞書環境を利用できるよう
になっています。オンラインに接続されているのなら、
英辞郎 on the Web
のようなサービスを使う手があります。BeOSなら
Tanuki氏の
BePDICVと
PDIC形式のフリーの辞書を使ってGUIでの辞書検索環境を構築できます。
emacsエディタ
を使っている人には、特に
Lookup
というプログラムがお勧めです。市販のCD-ROM辞書を始めとする様々な
形式の辞書を、統一されたインターフェースで検索できます。
emacsで編集中のテキスト上の単語を拾い出して検索するといった
作業が一発で出来るので、英文の翻訳作業などに力を発揮します。
ただし、快適な環境を構築するにはLookup本体以外に
多くのパッケージをインストールしなければいけません。
その作業を順を追って説明して行こうと思います。
なお、以下の説明はemacsがすでにBeOSにインストールしてある
事を前提にしています。
●Lookup本体のインストール
まずは、Lookup本体をインストールします。
次のURLから、最新のLookupをダウンロードします。
http://openlab.ring.gr.jp/lookup/
今回は、最新の安定版であるlookup-1.2.tar.gzをダウンロードしてみました。
アーカイブを展開したらTerminalを起動し、READMEのあるディレクトリに移動して
次のコマンド列を打込みます。
Lookup本体がbyte compileされた上で所定の
ディレクトリにインストールされます。
コマンド列をこのドキュメントからそのままコピーしてTerminalにペーストしてもかまいません。
./configure --with-emacs=emacs \
--with-lispdir=/boot/home/config/emacs/share/emacs/site-lisp/lookup \
--infodir=/boot/home/config/emacs/info
make install
|
●perlのインストール
辞書のインストールの際にperlが必要になるのであらかじめ
インストールしておきます。
すでにperlがインストール済みの場合はここを飛ばして次の項目へ
進んでください。
perlの最新版は
BeBitsの以下のURLからダウンロードできます。
http://www.bebits.com/app/658/
ダウンロードしたアーカイブを展開したらREADMEのあるディレクトリに移動し、
Terminal上から次のコマンドを実行します。
●nkfのインストール
辞書をインストールする際に、日本語漢字フィルターnkfが必要になります。
すでにnkfがインストール済みの場合はここを飛ばして先へ進んでください。
次のURLからnkfのアーカイブを入手します。
ftp://ftp.hipecs.hokudai.ac.jp:21/pub/unix/nkf/nkf-1.7.tar.gz
アーカイブを展開したらMANIFESTファイルのあるディレクトリに
移動し、Terminal上で次のコマンド列を実行してnkfを
コンパイル、インストールします。
make
cp nkf /boot/home/config/bin
|
●KAKASIのインストール
日本語のテキストから単語を切り出す処理のために
使われる漢字→かな変換プログラムKAKASIをインストール
します。すでにKAKASIがインストール済みの場合はここを
飛ばして先に進んでください。
KAKASIの最新版は以下のURLから入手できます。
http://kakasi.namazu.org/
今回ダウンロードしたアーカイブはkakasi-2.3.1.tar.gzです。
アーカイブを展開し、READMEのあるディレクトリに移動して
Terminal上で次のコマンド列を実行します。
./configure --prefix=/boot/home/config
make
make install
|
●辞書のインストール
次にSDIC形式の英和/和英辞書をインストールします。
SDICはやはりemacs用の辞書閲覧プログラムですが、
今回は辞書のインストールに関する部分だけを使わせてもらう事にします。
以下のURLから、
http://www-nagao.kuee.kyoto-u.ac.jp/member/tsuchiya/sdic/
sdic-2.1.2.tar.gz
gene95.tar.gz
edict.gz
の3つのアーカイブをダウンロードします。
sdic-2.1.2.tar.gzを展開したら、gene95.tar.gzとedict.gzを
READMEのあるディレクトリに移動します。
その上で、Terminal上から次のコマンド列を実行します。
./configure --with-dictdir=/boot/home/config/share/dict
make dict
make install-dict
|
これでインストール作業はすべて終了です。
● .emacsの設定
最後に /boot/home/.emacs に次の設定をつけ加えます。
;;
;; lookup settings
;;
(define-key ctl-x-map "l" 'lookup)
(define-key ctl-x-map "y" 'lookup-region)
(define-key ctl-x-map "\C-y" 'lookup-pattern)
(autoload 'lookup "lookup" nil t)
(autoload 'lookup-region "lookup" nil t)
(autoload 'lookup-pattern "lookup" nil t)
(setq lookup-search-agents '((ndic "/boot/home/config/share/dict")))
(setq lookup-default-dictionary-options '((:stemmer . stem-english)))
(setq lookup-use-kakasi t)
|
●簡単な操作法
emacsを起動してC-x C-yと入力してみましょう。
コマンドバッファにプロンプトが出て単語の入力を促してくるはずです。
適当な英単語、まは日本語を入力すると検索結果が表示されます。
該当する単語が複数あった場合は、n/bを
押す事でそれぞれ次候補/前候補と検索結果をめくれます。
検索結果をスクロールするにはSPC/DELを押します。
検索結果の表示を終了するにはqを押します。
テキスト中でC-x C-yをタイプすると、現在カーソルの
指している位置にある単語が、検索の第一候補として切り出されます。
そのまま何も単語を入力せずにRETを押すと、
その単語が検索されます。
これ以上の詳しい操作法やカスタマイズ方法などは、
各自でinfoを見て調べてください。
LookupはSDIC以外にも多様な形式の辞書データを検索できます。
Lookupのホームページ
へ行けば、フリーで使える便利な辞書が他にも多数見つかります。
自分の持っている電子辞書をLookupから使えるように設定するのもいいでしょう。
この文書があなたの快適な電子辞書ライフの一助になる事を願っています。
●
yun@be-in.org
|